つい先日、70万超えを果たして再び高騰をしたビットコイン(BTC)。
それが、ここ数日になってまた大幅の下落を見せている。
その要因の1つとして、ビットコインのシステム面の脆弱性が課題となっている。
そこで、現在のビットコインのシステムがどうなっているのかまとめてみよう。
BTCのスケーラビリティ
ブロックサイズに関する議論など、ビットコインのスケーラビリティの問題はすでに耳にしたことがある人が多いと思います。
簡単にいうとビットコインの送金や、各取引される時にもちいられるブロック(電子上の箱)の容量が今の市場に対して小さすぎるため、
加速しつづける取引量に対応できなくなってきている。
例えば、アクセスの多い渋谷駅の車両が2つしかないとしましょう。
運賃が安くて、便利な電車でもそのアクセス量に対応できなくなりますよね?
すごくざっくりとした言い方ですが、それと似たことが今のビットコインでは起きつつあるという事です。
まだまだ日本ではマイナーな決済手段の仮想通貨の世界ですが、海外をベースに見てみますと普通にコンビニやカフェ、タクシーなどの支払いで仮想通貨が使われています。
それを受けて2020年東京オリンピックでは、外国人観光客向けにビットコインを対応したお店がどんどん増えています。
そんな中、この状態のまま放置しておけば、決済の遅延、コストの増加など重大な問題が発生することが懸念されています。
現在のビットコインの設計では秒間最大7トランザクションほどしか対応することができません。
BTCの取引にかかるコスト
スケーラビリティの問題にも関連しますが、利用者が増え、さらにビットコインの市場価格が上昇すると共に、1回の送金にかかるビットコイン手数料は上昇していきます。
現在3円~6円程度の手数料が一般的だと思いますが、仮にユーザーと今年中に価格が倍増したと想定すると、手数料も10~20円以上になる可能性も大いにあり、ビットコインの需要上昇は、コスト上昇というジレンマも同時に生み出します。
そうなりますと、ビットコインの創始者ナカモトサトシ氏のヴィジョンの1つでもあったブロックチェーンによって実現する低コストなトランザクションが維持できなくなってきます。
(参考)
https://coincheck.com/blog/292
そういった課題点を踏まえて、彼の遺志を継承する暗号通貨開発者達がいまこぞって新コインの開発に注力している状況です。
つい先日、取引所のBITTREXで上場を果たしたADAコインもナカモトサトシへのリスペクトを持った未来コインとして注目されている案件の1つです。
BTCのスピード
ビットコインの送金処理は年々と時間がかかるようになってきました。
筆者が初めてビットコインを取引に使ったのは確か2015年の12月頃だったかと思いますが、現在では当時と比べてものすごく遅く感じております。
ブロックチェーンのトランザクション承認には通常最低でも10分かかります。
これは、現在の国際送金にかかるスピード(数日)と比較すれば早いとも捉えられますが、既存の支払い手段と比較して致命的に遅いとも言えます。
例えば、モノやサービスの支払い手段としてビットコインを使う時に、金額によっては2重支払いのリスクなどを回避するため10分以上待たなくてはいけない状況も想定され、ビットコインを一般的な支払い手段として普及させるという前提に立つと、承認スピードはネックになります。
BTCの拡張性
ブロックチェーンのキラーアプリとしてスマートコントラクトに挙げる人もも多いですし、2015年にリリースされたスマートコントラクトプラットフォームEthereum(イーサリアム)を利用して様々なトラストレスアプリケーション、IoTなどへの応用などが出来るのではないかと期待されています。
一方、ビットコインのブロックチェーンではイーサリアムのような複雑なコントラクトを作成することは出来ず、それがビットコインの致命的な欠陥だという指摘もあります。
今後ブロックチェーンが送金以外の様々な分野に応用されていく重要な技術になると考えた時に、ビットコインは拡張性がないとか、柔軟性に欠けるといった点がビットコインの拡大の阻害要因になるかもしれません。